極甘王子はいかが?



「百瀬、そこ僕の席。」

「おはよ、大宮くん」


言外にどけろって言ってるように聞こえるのに、スルーするちぃちゃん。


「うん、おはよう。そこ僕の席」

「今どけるから。
あ、この子隣の席の柏木雛姫ちゃん。ひなちゃんを苛めるんじゃないわよ」

「百瀬は僕の事を何だと思ってるの」

「一応、よ。
…取り巻きの女子、どうしたの?」

「撒いてきた。
でも、すぐ来ちゃうんじゃないのかな」


その言葉通り一気に騒がしくなる廊下。


「見つかったかな」

「だな…」

「「那智さまぁぁぁぁーーーっ」」

聞こえてきた大音量。

怖いな、女の子。

「ちょっと、手分けして探すのよ!!」

「はい、会長っ」

「ホント、尊敬するわ、ある意味」

「毎日毎日ごくろーさんだな」

「すごい…」

「勘弁して…」


白熱する女子の叫び声を聞いての感想は人それぞれ。