極甘王子はいかが?



「あれ、男の子嫌いなの?」


チーン…と砂と化している私。

もう嫌だ…。

私の男の子嫌いは物心ついたころからで。

特にきっかけはないはずなんだけど、話しかけられただけで寒気を感じる。

ママ曰く、『幼稚園のころは周りに男の子をはべらせてたのよ?』との事。

なんだ、この落差は。

その事を簡潔に言うと、大爆笑された。


「なんだぁっ、てっきり怖い思いしたんだと思った。
心配して損したわ~」

「笑い事じゃないんだよ!!」

「大丈夫だよ。見た目は怖いかもだけど、滅多に女子に話しかけてこないし。
女遊びが激しいとかも聞かないし。
男の子恐怖症克服の第一歩として、良い人選じゃない?」

「…で、その王子は良いとしても、周りの女の子は…」


嫉妬にくるったファンの子に私、呪い殺されそう…。

ただでさえ隣の席なのに、話しかけたら…。


「まぁ、そこら辺は王子にやってもらうしかないよね」


それからちぃちゃんが王子の席に座ってくれて、色々な話題に花が咲く。

ちぃちゃんの初恋が女の子だった、っていうのが一番衝撃的だった…。