「そんなに緊張しなくても」
そんなの無理に決まってるでしょっ。
お兄ちゃんとはいえど、男の子と密室で二人っきり。
男の子が怖い私にとってはいきなりレベル高すぎだからね…ッ!!
「もぅ、ドキドキしすぎて死んじゃう…」
「あ、今のキュンときたっ」
お兄ちゃん変態すぎる。
冷めた目で見るも、お兄ちゃんは運転で前を向いてるから気づいてくれない。
何気に傷つく…。
「あ、そうえば、ごめんね。
せっかく同棲始めたばっかだったのに、転がり込んで…。」
夫婦水入らず…ならぬカップル水入らずでイチャイチャしたかったのに違いないのに。
「いや、正直同棲始めて1週間でかなり気まずかったから、逆に助かったよ?」
「気まずい?」
「一緒に暮らすのもさ、たまたま両方の親が許してくれたから始めたけど。
世間一般では、早いタイミングじゃん?
やっぱまだお互いにお子ちゃまだから、細々した喧嘩も多かったんだよ。
それに、好きな子が手短に居ると、欲情しちゃうし…」
「よ、よくじょー…」
男の子、恐るべし。
聞かなくて良い男の子事情を聞いちゃった気もするけど。
でも…私から見ると、お姉ちゃんもお兄ちゃんも十分大人なのに、本人たちはそうは思ってないんだね。
