鼻をすんすんすすりながらコテと格闘しているとお姉ちゃん登場。
「壱に送ってってもらうんだってね?
よかったじゃない。
ホラ、コテ貸して。
もう、不器用なんだから~~」
練習しなきゃね?、と言いながら手際良くミストをかけて、コテを滑らせるお姉ちゃんに感謝。
「お姉ちゃんも不器用じゃなかったっけ?」
リンゴのうさぎ作れないし。
裁縫の針より、剣道で使う竹刀の方が似合うお姉ちゃんだったハズ。
「あたしはねー、高校の入学式で壱を見かけて、絶対手に入れてやる!と思って頑張ったよ。
料理は未だに苦手なんだけどねー」
「でも、その分お義兄ちゃんがお料理できるし。
なんかお姉ちゃんズルイ~~~」
女の子がきれいになるには、恋が必要不可欠なのか。
「あははっ、なんでよ。
まぁ…壱を手に入れられたし、幸せだけど」
「ノロケ…」
「もう絶対放してやらないんだから。
ひなもそういう人、早く見つかるといいね」
……"放してやらない"とか、怖いワード聞いちゃったよ。
