「・・どうした。」


弱々しい声できいてみた。

泣いている姉ちゃんをみたのは何年ぶりだろうか。



「うっ・・・。

 もういい!いいよ。知らない。」



顔を覆って泣きじゃくる姉。


訳が分からない、説明してくれ。


”今北産業”この言葉を飲み込んだ。



「母ちゃんたちは?」

「・・・」


何かがおかしい。

騒がしい声がするほうへと

歩いていこうとした

―が、姉ちゃんが腕をつかんだ。


不覚にもドキッとしてしまった。


今はそんな場合じゃない(と思う)のに。