予想だにしない事態に、慌てるあたし。
かっくんなんてもはや固まっていた。
「ま…色々と計算違いはあったみたいだけど……結果オーライってことでっ。ほんじゃ私、今度こそ帰る」
「待たんかこのくそ親父!!」
―ひゅおっ
「ひっ!?」
「結果オーライて、どこがオーライなわけ!? ちょっ、なにしたのねぇなにしでかしたの!?」
最初のクッションに続き、手元にあるものなにもかも投げつけるあたし。
父様のやつは、ひょいひょいとすべて器用にかわしていた。
「あ、あのねっ? だからつまりっ、式はまた改めてってことに―」
「んなこと聞いてないッ」
結婚……?
ほんとに……そんなことしちゃったの…?
投げるものがなくなったのもあって、なんともいえない虚脱感に見舞われながら、立ち尽くした。
「まあ…遅かれ早かれこうするつもりだったんだ。お前だって、どこの馬の骨とも分からない野郎と結婚させられるよりはよかろう?」
「……」
そりゃ……そうだけど。
でもね、それとこれとはまた違う話だと思うのね?
「例え二人にその気がなくとも、お前達は今後、夫婦として共に歩み、藤峰家をより一層繁栄させてもらう。これは当主として、後継ぎである真裕…お前への命令だ」
「…!」
「楓くんは巻き込むことになっているやも知れんが…」
そ、そうだよ!
確かに、“藤峰家当主”を振りかざされるとあたしは何も言えない。
でも…かっくんはそれとは関係ない!

