「かっくんもケインとバイオリンするの?」
「いや? 俺はあそこの理事長に誘われただけ」
「りじちょー?」
へー…ふーん…?
「分からないならいいから」
あ、そう。
ほんならいいや。
「あ、坂本さんにコーヒー持ってきてもらうね」
内線で坂本さんを呼ぶと、もんのすごく驚かれた。
それはもう……まるで幽霊でも見たかのような悲鳴と、犯罪者かなんかから逃げてるような凄まじい音がした。
やがてコーヒーを持ってきた坂本さんは……もう一回驚いた。
「まあ! 星野様! お久しぶりでございます。いらしていたのですね?」
まあ、さすがにさっきほどの慌てぶりはないけどね。
「ふふっ。星野様がいらっしゃれば、坂本も安心ですわ。お嬢様もお元気になられますね」
にっこり嬉しそうに笑ってくれて、あたしも嬉しくなった。
坂本さんの笑顔は本当にあったかくて、優しいんだよ。
「ではごゆっくりなさいませ。後ほどお着替えを持ってまいります」
会釈をすると、坂本さんは部屋を出た。
「…ん、おいちい」
豆…変わったねぇ。
あたしこの方が好きかも!
コトンとカップを置いて、ソファに腰掛けるかっくんの膝に乗っかってみた。
「ね、そういえばりんりん達は?」

