「寝たい」
「……」
「……」
「……は?」
いや、は?じゃなくてさ。
まお眠いんだよー。
ずうっと寝られなかったんだお。
かっくんがいてくれたらいくらでも寝れる気がする❤
「かっくん、ぎゅっ」
「はいはい…おいで」
「❤」
仕方なさそうに笑って両手を伸ばしたかっくんの胸に飛び込んだ。
むぎゅ~!
「うふ…かっくんだいすき…」
「…ん」
久々に心から安心して、すぐに意識を手放した。
はあ…❤
このにおい。
この……ぬくもり!
あたし……これがほしかったの…。
…そうしている間に、ちゃくちゃくと父様の企みは“実行”されていたのに―。
父様は決して“いい人”ではなかったのに―。
むゎっったく気が付かずに…ただ、幸せに眠った。

