秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


ほんとにかっくんだ!


…時間にしてみれば、ほんの一ヶ月ほども経ったか経ってないか。

だけど知らない地で一人でのそれだけの時間はとても長かった。

怖かったんだ…。



『マヒロ…?』

『も、もしかしてかっくんて…彼!?』

『うっそ彼がいたの!?』

『おい……。そいつがホシノカエデか?』

『え!? ホシノカエデ…って……じ、じゃああれがマヒロの婚約者ぁ!?』

『婚約者!? …あっ。そ、そういえば…』



あ。

そおいえば。


忘れてたよー…。

みんながいたんだっけ。


いつの間にかかっくんの首にしがみつきぶら下がっていたあたし、すとんと地に足をつけた。


『かっくんだお❤』


ぴっとり抱きついたまま一応紹介した。


『えええ!? え!?』


『こ、婚約者の…?』


『マヒロ婚約者いたのか! があんがあんがあん…』


『えらくいい男ね』


そおでしょそおでしょ。

だから言ったでしょ!

かっくんはどっかの誰かさんと違って、超優しくて超かっくいくて超すごいまおのかっくんなんだからね!


「どっかの誰かってのは俺かい。それともあいつかい」