ほんとにかっくんだ!
…時間にしてみれば、ほんの一ヶ月ほども経ったか経ってないか。
だけど知らない地で一人でのそれだけの時間はとても長かった。
怖かったんだ…。
『マヒロ…?』
『も、もしかしてかっくんて…彼!?』
『うっそ彼がいたの!?』
『おい……。そいつがホシノカエデか?』
『え!? ホシノカエデ…って……じ、じゃああれがマヒロの婚約者ぁ!?』
『婚約者!? …あっ。そ、そういえば…』
あ。
そおいえば。
忘れてたよー…。
みんながいたんだっけ。
いつの間にかかっくんの首にしがみつきぶら下がっていたあたし、すとんと地に足をつけた。
『かっくんだお❤』
ぴっとり抱きついたまま一応紹介した。
『えええ!? え!?』
『こ、婚約者の…?』
『マヒロ婚約者いたのか! があんがあんがあん…』
『えらくいい男ね』
そおでしょそおでしょ。
だから言ったでしょ!
かっくんはどっかの誰かさんと違って、超優しくて超かっくいくて超すごいまおのかっくんなんだからね!
「どっかの誰かってのは俺かい。それともあいつかい」

