――ユウキサイド――
「…!」
…一瞬俺を睨んだかと思うと、「笑うな」と断りを入れて弾きだしたマヒロ。
出だしから……すでに。
…すでに、俺やなんかとは比べ物にならないレベルだった。
『マヒロ……』
アイツと妙に仲よさそうにしていたグループの一人がポツリと呟いた。
それきり何も言わない。無理もない。
何も言えないんだ。
「……」
聞いていた通りだ。
藤峰真裕の演奏は、人の心を惹きつける。
聴く者を圧倒する何かを持っているにも関わらず、すべてをまっさらにしてしまうようなそんな純粋さも強く残る。
とにかく、言葉では表せられない。
ただ、老若男女問わず惹きつけられるんだ――。
「……っ」
…その、音に。
その、姿に。
その、表情に。
すべてに俺は……完全に引き込まれていた。
―ぷつんっ
「……は?」
「あ」
……?

