秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


――ユウキサイド――


「…!」


…一瞬俺を睨んだかと思うと、「笑うな」と断りを入れて弾きだしたマヒロ。

出だしから……すでに。

…すでに、俺やなんかとは比べ物にならないレベルだった。


『マヒロ……』


アイツと妙に仲よさそうにしていたグループの一人がポツリと呟いた。

それきり何も言わない。無理もない。

何も言えないんだ。


「……」


聞いていた通りだ。

藤峰真裕の演奏は、人の心を惹きつける。

聴く者を圧倒する何かを持っているにも関わらず、すべてをまっさらにしてしまうようなそんな純粋さも強く残る。

とにかく、言葉では表せられない。

ただ、老若男女問わず惹きつけられるんだ――。


「……っ」


…その、音に。

その、姿に。

その、表情に。

すべてに俺は……完全に引き込まれていた。



―ぷつんっ



「……は?」


「あ」


……?