秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


『そーよねっっ。じゃ、お願いね模範演奏❤』


も……はん?

もはん? ……模範?


……いやいやいやいやいや。

そういうのって先生がするもんでしょ。

なんであたし?


激しくかぶりを振りながら、必死で抵抗するあたし。

だが…どうも、ウィーンのみなさまには通じなかったようだ。


『さっ、はい❤』


超! 笑顔で、楽譜を手渡された。


「……ええー…」


確かにね、人前で弾くことはいくらでもあったよ?

そういう機会はいくらでも。

でもねぇ……?


「かっくんがいないのに演奏なんかできるかっつーの!!」


出会って一年、気付いたことがある。

出来なくなった演奏が出来る時は、必ずそこにかっくんがいる時。

いなければ相変わらずぐだぐだだった。


『? マヒロさん?』


唯一日本語の分かってるシュンが、必死で笑いをこらえているのが見えた。

そして……ユウキも。

ユウキも、じろっとあたしを睨んでいた。

それにむっとしてしまったあたしは…つい。


『誰も笑わないでね!』


先にそう断りを入れ、バイオリンを構えた。