秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


かっくんはあたしの大事な人。

一番大好きな人で、一番そばにいてほしい人。


それなのに…。


そう思うと、かっくんの顔が見れなかった。


「それってさ、いつから…いつまで?」


「え…っと……四月から、二年後の四月まで」


「!!」

「!?」

「…!」


学校と正式な手続きを踏んで、留学扱いにしてくれるらしい。

向こうの学校に一応在籍するんだって。

それだけしか聞いてないけど……それだけ聞けば十分。


「真緒…それ……」


…りんりんの言わんとしてることは分かる。

ちらっとかっくんのほうを見たし…。


「か……楓はあれやな! せんせえにやきもち妬かなあかんやんけ!」


「はあ?」


「せやかて負けてんねんで? 『真裕は俺のやのにっっ』…って言わな! あっはっはっ」


しゅっちゃん…。

もはや自分が何口走ってるか分かってないでしょ。

本っっ当に、意味不明。

なにが言いたいのかさっぱり分かんないし。


「そ、そおね。それもそおね、うん! …じゃ、あたし達はこれで。また明日ね真緒。詳しい話はまた聞くわっ。眠くなっちゃった、あはは♪」


…眠いようには見えない。