かっくんはあたしの大事な人。
一番大好きな人で、一番そばにいてほしい人。
それなのに…。
そう思うと、かっくんの顔が見れなかった。
「それってさ、いつから…いつまで?」
「え…っと……四月から、二年後の四月まで」
「!!」
「!?」
「…!」
学校と正式な手続きを踏んで、留学扱いにしてくれるらしい。
向こうの学校に一応在籍するんだって。
それだけしか聞いてないけど……それだけ聞けば十分。
「真緒…それ……」
…りんりんの言わんとしてることは分かる。
ちらっとかっくんのほうを見たし…。
「か……楓はあれやな! せんせえにやきもち妬かなあかんやんけ!」
「はあ?」
「せやかて負けてんねんで? 『真裕は俺のやのにっっ』…って言わな! あっはっはっ」
しゅっちゃん…。
もはや自分が何口走ってるか分かってないでしょ。
本っっ当に、意味不明。
なにが言いたいのかさっぱり分かんないし。
「そ、そおね。それもそおね、うん! …じゃ、あたし達はこれで。また明日ね真緒。詳しい話はまた聞くわっ。眠くなっちゃった、あはは♪」
…眠いようには見えない。

