ここのとこ、楽器を手にもしてなかった。
たまには出してあげないと、かわいそう。
『そんじゃあ行きましょうマヒロ』
『行く? どこに?』
『どこってあなたバイオリンを持ってるじゃない。そういうつもりなんでしょ?』
そういう…ってどういう?
なんの関係が?
『?』
きょとんとして首を傾げるあたしに、じれったそうにメイリーが言った。
『んもうっ。実技するんでしょう? 朝からよ今日。早く行きましょったら』
『そおなの』
朝からなんだ。
しかも別の部屋に移動するのね。
たらたらするあたしがさらにじれったいのか、腕をひいて歩くメイリーはどうやらせっかちさんのようだ。
『お。みんないるわねー!』
どっかの部屋に入るなり、歓喜の声を上げるメイリー。
ひょこっと顔を出してみると。
「…おーまいがっ」
…ケインじゃないけどそう言いたくもなるってもの。
『マヒローッ!』
『やだっ。会いたかったっ! …アッシュ邪魔よッ』
『あっ…いたい…』
『リジュ、また驚かせちゃダメよ』
『分かってるって。ハディは本当おせっかいね』
『お前がそこんとこ怪しいからだろうが』
『なによシュンのバーカ』

