…ドキッとした。

別に悪いことでも何でもないのに…ただ、図星だったから。


…そうよ。

かっくんがいないから。

だからあたし……崩れてる。

バランスが、崩れてる。


「そうか…」


黙り込んで俯いたあたしを肯定と受け取ったらしい父様は、そう呟いた。


「では…」


「?」


「実行するしかないな…ふっ」


……実行だとこのやろ。

またなんかしでかす気ですかこのやろ。


「父様。余計なことは…」


「何の話かね? 私は仕事に行こう。…おーいさかもっちゃん! 真裕を頼んだよーっ」


「あちょっと…」


「じゃあなまお!」


あ。

……ちっ。行っちゃった。

しかも確認、し忘れちゃった…。


「はーあ、もう…」


父様ってばなに企んでるんだろ?

ていうか……。


「あーもう」


もうなんでもいいや…。


バッとうつぶせになり、重い瞼を閉じた。