―――……


数時間後、あたしは無事住まいとする別荘に戻っていた。


「しっ……死ぬかと思ったじゃん!」


…ま、何度か抗議はしましたけどね…。



「…真裕」


「…?」


ぐったりと横になるあたしのそばに、心配そうに寄り添う琥珀と梨音。

そんな可愛い子達を撫でながら、父様が急に真面目な口調で言いだした。


「お前……本当に大丈夫か?」


「え?」


「あの約束…それはいいことだが、体を壊しては元も子もない」


「……」


それは……だって…疲れただけよ。

初めてのところで一人だったから。

知らない人は苦手だから。

ちょっと……疲れただけよ。


「楓くん…」


「え?」


かっくん?

なんでいきなり? 唐突にもほどがある。


「楓くんの存在は、そんなに大きいか」


「……!」