秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


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「ウィーンに行くですって!?」


「うん」


「ウィーンってあれか? オーストリアのか? …ウィーンっていう街とかじゃのーて?」


いや…そんな街、聞いたことないけどね。うん。


ケイン――先生の息子、ケインが去ってからすぐに、待ち構えていたかのようにしゅっちゃん達が現れた。

本当はまだ言うまいと思ったんだけど……。

蓮くんが…ね。


『……そのメモなに?』


『で!? 落ちとるがね!?』


『英語? …なになに、えー…』


『ああ~~んっ読まないでっ』


…とまあ、先生の手紙が見つかって……あれよあれよという間に吐かされた、みたいな。



「マエストロに子供がいたのも、病気抱えてたのも驚きだけど……」


「つかもう、何に驚いてええんか分からんわ」


ただ呆然とする二人。

蓮くんは、あたしの後ろに座っている(はずの)かっくんを見つめているみたいだった。


あたし……かっくんを振り返れない。

自分であんなにそばにいてって言ったくせに、たった一瞬で決めてしまった。

それも…二年間もなのに。