―――……


『ユウキ……って、なにかあったの?』


学校が終わってメイリーと二人で話をしているとき、ふと思い出したことを率直に聞いてみた。

あの悲しそうな横顔がどうしても忘れられない。

なにかあったのかなって思ったんだ。


『なにか? どういうこと?』


『ううん…なんとなく聞いてみただけ』


『さあ…特に知らないけど。…だってあいつ、誰とも仲良くしたりしようとしないのよ。誰も何も知らないんじゃないかしらね?』


『そっか…』


頷きながら、ずずっとジュースを飲んだ。


なんでか……ユウキのあの顔を、あの目を見たら、あたしも悲しくなっちゃったんだ。

ちくりと胸が痛んだ。

どうしてだろう?


『じゃあいくつなの?』


『ユウキのこと? 確か十八じゃなかったかしら。…なあにあなたったら、妙に気にするわね。婚約者がいるんじゃないの~?』


十八! 一つしか違わないじゃない!

人のこと散々ガキガキ言ってぇっ。

許せないわっっ。

たんじょおびがちょっとばかし早いだけじゃないのよー。



「はっっ!!」


たんじょーび!?

わっ。た、大変なこと思い出しちゃったよ!


がたんと座っていた椅子から思わず立ち上がった。