なんか覚えのある種のため息だなー。
よくかっくんが……。
『まお…こっち』
『? なあに』
『おいで』
『❤! 行くっっ…わきゃっ!』
『……』
『……ああーんっ。転んだぁ!』
『ハアー……』
……みたいな。
「親の七光りでちやほやされて、どこぞのアイドルだよって言ってるんだよ」
「!」
ハッと我に返ったあたしに吐き捨てられた一言は、言葉以上に響きに鋭さがあった。
「ご、ごめんなさい…」
怖いくらいの眼光に、思わず身をすくめる。
困って眉をしかめていると、メイリーが助け舟を出してくれた。
『ちょっとー。またキツいこと言ってるんでしょ? か弱い女の子を苛めちゃダメよユウキ』
『……うるさいんだよ』
ぷいっとそっぽを向いて呟いた彼。
ユウキというらしい。
『もー…。ゴメンね真裕。あいついっつもああなのよ。気にしないで』
『う、うん…』

