秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


なんか覚えのある種のため息だなー。

よくかっくんが……。



『まお…こっち』


『? なあに』


『おいで』


『❤! 行くっっ…わきゃっ!』


『……』


『……ああーんっ。転んだぁ!』


『ハアー……』



……みたいな。


「親の七光りでちやほやされて、どこぞのアイドルだよって言ってるんだよ」


「!」


ハッと我に返ったあたしに吐き捨てられた一言は、言葉以上に響きに鋭さがあった。


「ご、ごめんなさい…」


怖いくらいの眼光に、思わず身をすくめる。

困って眉をしかめていると、メイリーが助け舟を出してくれた。


『ちょっとー。またキツいこと言ってるんでしょ? か弱い女の子を苛めちゃダメよユウキ』


『……うるさいんだよ』


ぷいっとそっぽを向いて呟いた彼。

ユウキというらしい。


『もー…。ゴメンね真裕。あいついっつもああなのよ。気にしないで』


『う、うん…』