『そうよ、おめでとう! ホシノカエデですって? お似合いのカップルね』
『お、おにあい?』
『そうだよ。音楽界のジェントルと天才少女じゃ文句なしでお似合いだよ』
お、おにあい…。
……やだそんなもうっ❤
そんなことそんなことないもんっ♪
てれてれするあたしに、りんりんに雰囲気の似た女の子が言った。
『かわいい~っ。マヒロかわいい~! 彼のこと大好きなのね!』
言うこともりんりんにそっくりだ。
えへへ…と照れ笑いを浮かべ、名前を聞いてみた。
『メイリーよ。よろしくね』
『メイリー? あたしはまおだよ』
『まお? マヒロでなくて?』
『そうだけどね』
『?』
例えドイツ語とはいえ、どうも父様とかっくん以外に真裕って呼ばれるのは変な感じ。
今までほとんどの人がまおって呼んでたんだもん。
『えっとー…真裕? それであなた、いくつなの?』
『? 十七よ』
『あらぁ! じゃあ日本の法律ではもう結婚できるのね。藤峰家は早いって聞いたわ。帰ったらすぐ結婚かしら?』
え!? そおなの!?
…いやいや。
そんな話聞いてないよ。違うって(たぶん)。
でも…父様のことだから言い出しかねないでもない。
注意せねば…。

