秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


しばらく歩いていくと、いわゆる職員室というやつや理事長室がある階に降りた。

まっすぐ目指しているのは、どうも応接室だ。


「こちらです。さ、入って」


「…?」


僅かに眉をしかめて、ノックもせずに扉に手をかけた。


「やあ、君がカエデか。いや、噂に違わずいい男だ!」


「は……」


入るなり……どう見ても外国人の男にいきなり手を掴まれ、ぶんぶん振り回しながら言われた。

当然といえば当然、ぽかんとしてしまうわけで…。


「う~んいい男だ。いやほんとに!」


「だろう? だが彼はそれだけじゃない。私が今まで見てきた誰よりもすばらしい音楽を持っている」


「ああ、そうだろうね。目を見れば分かるよ」


何気に初めて会った理事長らしき男性と、笑顔で話しだしたその男。

いつの間にか岬先生は消えていた。


「あの…」


いい加減、黙って突っ立っているのもおかしい。

どちらともなく声をかけてみた。


「ああ、すまないすまない。忘れていたよ」


忘れてじゃねぇよ。

呼んだのお前じゃねーのかよ。

あり得ねぇなこのオヤジ。



「君に、少し話があるんだ――」