――真裕サイド――
かっくん…!
かっくんに見られた…!
押し寄せる後悔と自責の念。
恐怖や悔しさも重なって、すべてが涙となって出てきた。
「てめぇ…」
ものすごく冷たい目をしたかっくんが、あたしの後ろを睨んでる。
見ているのはあたしじゃないのになぜか。
自分が責められているように感じて、さらに涙があふれ出た。
「っ…んっ…」
必死でこらえようとするけれど、どうしても止められなかった。
「肇ー?」
「…!」
「!」
「なにをしている、帰るぞ?」
谷川様と奥様…。
捜しに…?
どうしよう。こんなところ見られたら…!
「かっくん入…」
「父さん、母さん」
「あら肇。それに真裕様方」
あたしの抵抗もむなしく。
すぐに、お二人は顔を出した。
「お話があります」
「なあに?」