――楓サイド――
真裕が出て行って十分ほど。
うろうろ歩き回っていた真裕父が、ガシッといきなり肩を掴んできた。
「か……楓くん」
「はあ…なんでしょう」
「き、君真裕が心配なんだろう。そうなんだろう。ならば迎えに行ってもいいぞ?」
「…は?」
偉くまじめな顔してるかと思えば…。
心配してたのかよ。
じゃなんで行かせたんだよ。
「む、迎えに行きたいんだろう? 心配なんだろう? 遠慮するでない。顔に書いてあるぞ」
そりゃあんただよ…と思いつつも、確かに十分を過ぎても戻ってこないのは気になった。
この部屋から玄関はそんなに遠くはない。
往復五分もあれば戻ってこれるだろう。
ひょっとしたらただ…社長方に掴まっているだけかもしれない。
でもなぜか。
なぜか……嫌な予感がした。
「お、おお! 行くのか、そおかそおかっ。いやあ君やっぱり真裕に首ったけだねっ」
「……」
立ち上がった俺を見て嬉しそうにする真裕父はやっぱりバカなんだと思う。
もう一度言うが、ならなぜ行かせた。
ため息をつきそうになりながら、無駄にでかい扉を開けて部屋を出た。
ほんの三分もかからないうちに玄関ホールに着き…ってまあ、玄関までそんなにかかることは普通ないけど…。
とにもかくにも外に出ようとしたときだった。
「いや!!」
「…!」

