…うん。

この場合ね。


「何も聞かなかったことにしようね。よし。じゃあ帰ろう」


早く用意しないと。

あれ…着物なんて持ってきてたっけ?


「あそうだかっくん。父様も言い忘れてたけどさ、かっくんも出るんだよ」


「あっそ…」


「うんっ。かっくんの着物姿楽しみ❤」


「ふーん。…………は?」


おお。かっくんらしからぬ。


『ノリ突っ込みのようなそれ! マヒロの十八番じゃない』


「ちょっと待て。俺が…なんだって?」


「だってさー、なにはともあれ結婚は事実だし。かっくんもう藤峰家の一員だよ。藤峰家次期当主の旦那様❤とか会社の跡取りとかそういう立場」


「……」


『おーなんかすげぇ』


『なんだ。会社は楓が継ぐのか』


『社長さんだわよ! なんかもう、存在がかけ離れて感じるわねー』


だってかっくん、こないだ…。

結婚しよう…って。

言ってくれたし…❤

つまりはこれも受け入れてくれるってことだよね?


「……ハア……」


やあねそんなため息ついちゃって❤

今日のはだってただのお話会だもの。

今度立食パーティーをするとかで、その打ち合わせ。