ぱしっとかっくんから電話を受け取ると、「もしも~し」と耳に当てた。

もうね、開き直るってこのことだよね。


『お前今どこにいるんだい?』


「ふっ…。学校にいますけど何か。何か問題でも? え? 文句があるなら言ってみろーい直接っ」


「開き直りにもほどがあるだろ」


「ああいうやつなんだよ…」


かっくんそれフォローになってない。

そんで? 父様ななんの用事?


『そうか! そりゃまたちょうどいい。それがな、今回のお客様がオーストリアの人で、急遽来れなくなったとゆーんだ。それでそっちでやることになった。私が今から向かうということを考慮してくださって、時間は六時からになったからな』


「えっ……❤」


そ、それ本当?

ここ? ここでやってくれるの?

しかも六時に…。


「あ、ありがとう神様…」


『ほんでな、ウィーンには別荘、お前んとこのしか持ってないんだ。だからそこでやるからな。さかもっちゃんによぉく言っとけよ。ほんじゃな。私これから……』


「え? うちでやるの? でもあの…」


『ダイブするから!!』


「……は?」


―ぶつっ


「え?」


―つーっつーっつーっ


「……え?」


……。


「…?」