「まお……なんで学校通ってるの?」
「……は?」
かっくんてば、あまりの突拍子のなさに驚いちゃってるよ。
一瞬間があったよ、返事に。
「だってさ…」
よく考えてもみたら、宝院に通ってたのは日本にいるため。
日本にいたのは母様を捜すため。
でももう……日本にいる意味、なくない…?
そったらさ、学校行かなくていいんだし…そしたらこの留学もなしになるし…。
なにも学校に行ってなくたってケインとの約束は果たせる。
…あれ?
無意味? あたし、無意味?
「…お前って時々シビアだな」
「え? しるびあ? 誰それかわいいの? なんか妖精さんみたいな名前だね」
「ハア……」
でもあたし、時々もいつもまおなんですけど。
しるびあじゃなくてまおなんですけど。
「ああ…もういい」
「え? なんでなんで?」
ちょこまかとかっくんの周りをうろつきながら詰め寄ると、「ああそうそうシルビア。妖精ね、はいはい」と適当にあしらわれた。
『もうっ! みなさん、今日も午前中の授業は中止です。さあほら、雑巾とバケツを用意して!』
ぱんぱんっと手を叩く先生の一言で仕方なく諦め、わらわらと中に入るみんなに混じった。
「うにゃ!?」
『ああっ!? マヒロ!?』
……いきなりすっ転んだけど何か問題でも!? …ぐすんっ。

