「あんた、なんかしたわけ?」
「し、してない。たぶん」
「小学生に恨みを買ったとか」
「そんなはずない。たぶん」
…いや小学生て。
ユウキくんやいいくらなんでもそれはないと思うぞっ。
いくら……。
教室中にスプレーで「藤峰真裕のバーカ」…っておおきーく書かれてたとしてもね…?
いくら……。
さらにあっかんべーをしたへったくそな絵まで書かれてたとしてもね…?
…うん。
さすがに小学生じゃないと思うよ?
「…ほらな」
「…うん。そうかも」
「絶対同じ犯人だろ…」
数日間机に落書きなんてし続けた誰かさんの呆れ加減と被る。
こんな人そうそういないと思う。
それこそ続く偶然は必然なり。
たまたまあたしが嫌いでたまたま日本人でたまたま留学のこと知っててたまたま同じことをする…なんてねぇ?
ないない。
あはは。
『ねえマヒロ。あれなんて書いてあるの?』
日本語が聞き取れるようになったと言っても、読み書きができるわけじゃない。
リジュがちょいちょいとあたしの服をつまみながら聞いた。
『えっとねぇ…。笑っちゃダメだよ?』

