―ぎゅいーんっ


…はいっ。

てなわけで速攻取りに行きますた。

野木さんに大急ぎでジェット機出してもらって、日本へ超特急!


「待っててね!」


ヘリポートで野木さんには待っててもらって、マンションへ向かうことにした。


「……ど、どうやって行こう…」


やっぱり…車出してもらわなきゃダメ?

…だよねぇ…。


「ご…ごめんね野木さん」


「とんでもございません」


ぶおおーっとエンジン音が微かにする車内、縮こまって謝った。

ものの十数分でマンションに着き、(自分なりの)全速力で走って部屋に行った。


こんながらーんとしてたっけ…。


ふとそう思ったけど、気にする間もなくバイオリンを手にまた飛び出した。


部屋自体が広いから…生活感がないと、すごくがらんとして感じるんだね。


「野木さんお待たせっ。んじゃウィーンに戻ってもらっても…いいですかね?」


「もちろんでございます。では急ぎましょう」


うん、間に合う!

間に合うよ急げば、次の日の学校にはさ…!

頑張れっ。野木さんならできる!


心の中で必死に激励した。



…そしてそれから数時間。

ウィーンの時間にして午前四時過ぎ、急ピッチで日本ウィーン間を渡ったあたしはかっくんの待つ別荘に戻ってきた。