秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


実はこの部屋には、今朝からみんなの楽器がそれぞれの席に置いてある。

当然、あたしやかっくんのもあるわけで…。

そしてあたしの席はかっくんの隣(ぶんどった)。

前から二番目で、今目に入ったんだけど……。


「…?」


バイオリン……一つしか、なくない…?


勝手に入っていいのかな…と思いつつも、気になって足を踏み入れた。


「お邪魔しまーす…」


そろそろと自分の席に歩み寄って、ぴたりと足を止めた。

…いや。正確には……止まった。


「……」




…なんで……あたしのバイオリン、ないの…?




―ダッ




確かに置いたはずのものがそこにないのを確認してその瞬間。

床を蹴ってどどどどどっと走り出した。

不思議なことに、行きはあれだけ迷った道順も、帰りはスムーズに教室まで辿り着いた。


…やっぱりあたしって、やればできる子じゃないっ?


…とかなんとか言ってる場合じゃねーのよ!!



―ばあんっ



「ユウキ!!」



もう授業が始まっているであろう教室に、勢いよく飛び込んだ。