秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


―とにもかくにも。

やあっと当初の目的のためにも本格始動しようかというときに。

…こういうときに限って、事件は起こった。



『あら? マヒロ。どこ行くの? そろそろ授業始まるわよ』


ケインのところに行った次の日の学校。

トイレに立ったあたしにメイリーが声をかけた。


『お手洗い❤』


うふっと答えて、るんたたと教室を出た。

かっくんが一緒に来れるようになってからというもの、あたしは毎日機嫌がいい。

これまでを知っているメイリーには呆れられるほど。


「んっとー…右? …いやいやここはまっすぐ…ってまっすぐに道がない! やっぱり右か…」


この学校広すぎて、未だに覚えきれてないんだよねー…。


一人でぶつぶつ呟きながらうろうろしていると、なぜか目的地とは正反対にあるはずの音楽室(のようなところ)に着いてしまった。


「…あ……あれぇ?」


きょとんと首を傾ける。


あれ…もしかしてあたしって、本当に方向音痴だったの…?

…いやそんなはずはない。

きっとからくり屋敷みたいになってんのよ!

まおのせいじゃないわっっ。


「…ハア……戻ろう…」


そういえば今までは、メイリーかリジュかハディに連れて行ってもらってたんだっけ。

一人で行くの初めてだかんなー。


ため息をついて踵を返そうとしたとき、なぜだかふと部屋の中のある一点に目が行った。


「…あれ…?」