―とにもかくにも。
やあっと当初の目的のためにも本格始動しようかというときに。
…こういうときに限って、事件は起こった。
『あら? マヒロ。どこ行くの? そろそろ授業始まるわよ』
ケインのところに行った次の日の学校。
トイレに立ったあたしにメイリーが声をかけた。
『お手洗い❤』
うふっと答えて、るんたたと教室を出た。
かっくんが一緒に来れるようになってからというもの、あたしは毎日機嫌がいい。
これまでを知っているメイリーには呆れられるほど。
「んっとー…右? …いやいやここはまっすぐ…ってまっすぐに道がない! やっぱり右か…」
この学校広すぎて、未だに覚えきれてないんだよねー…。
一人でぶつぶつ呟きながらうろうろしていると、なぜか目的地とは正反対にあるはずの音楽室(のようなところ)に着いてしまった。
「…あ……あれぇ?」
きょとんと首を傾ける。
あれ…もしかしてあたしって、本当に方向音痴だったの…?
…いやそんなはずはない。
きっとからくり屋敷みたいになってんのよ!
まおのせいじゃないわっっ。
「…ハア……戻ろう…」
そういえば今までは、メイリーかリジュかハディに連れて行ってもらってたんだっけ。
一人で行くの初めてだかんなー。
ため息をついて踵を返そうとしたとき、なぜだかふと部屋の中のある一点に目が行った。
「…あれ…?」

