秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


「つーか……」


「はん?」


「お前になにが分かるわけ?」


なにが……分かる?

なにが分かるって……なにも分かるわけないでしょあなたの事情なんて…。


「温室育ちの、挫折も知らないお嬢さんには言われたくないって言っただろ」


…うち温室ないけど…。


「藤峰真琴みたいな母親がいて、そんだけすべてに恵まれてて偉そうな口利くんじゃねぇよ」


…!!


「おい…」


「それは違ェな」


「!」


ぴくっと眉を寄せて口を開きかけたかっくん……を、遮った人がいた。

いつの間にそこにいたのか、リジュ達の間からひょっこり出てきたシュンだった。


「し、シュン…」


「じゃあ聞くが、藤峰家っつーデケェもん背負うのがどれだけのことか、お前さんに分かるのかい?」


「…!」


「それに、母親を失う痛みなら彼女も知っている。お前さんの知らねェ挫折や苦しみもあっただろうぜ」


し、シュン…。


「『なにが分かる』と言うが、お前さんはそれを分かってほしいのかい? だとしたらおめェ…、自分でも人を分かる努力をしなきゃならねェよ。そうじゃねェのならそんなセリフ吐くんじゃねェ」


シュン……もしかして…。


「『なにが分かる』はおめェも一緒さ。おめェの事情(こと)なんざ他が知らねェように、おめェも他の事情(こと)は知らねェだろうよ」