「……」
「……」
あ……。
そう、か…。
今分かった。
あのとき。
初めてユウキと会ったとき感じた、胸のチクリの原因。
同じだからなんだ。
あたしも…母様と会えなくなって五年以上が経っていた。
会いたい…とか、心配…とか。
そういう、同じ気持ちをきっと、ユウキも持ってたんだ。
こんなこと言ってたってきっと…。きっと。
お母さんのこと大好きだったんだ。
だから、見捨てられたことが悲しくて。
置いて逝かれたことが寂しくて。
いつしか…憎いと思うようになったんだ…。
…でも。
「でも、だからってそれは八つ当たりだ」
「は…?」
「似てようが、同じ日本人だろうが、お金があろうがなかろうが。あなたのお母さんとは別でしょ。勝手に重ね合わせて憎まれるなんて心外だ」
あたし自身が嫌いなんならそれは仕方がない。
でもそうじゃないんでしょ?
それに…。
「それにお母さんが嫌いなわけじゃないんでしょ? どうして無理に嫌おうとするの。あなたは…“失って初めて分かる”ってのがどんなものか、よく知ってるはずだ」
「…!」
自分にとってどれだけ大切な存在だったか。
いなくなってから募る、会いたいという思い。
それをよく知ってるはずなのに、どうして心の中からお母さんを消そうとするの?

