秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


「……」

「……」


あ……。

そう、か…。

今分かった。


あのとき。

初めてユウキと会ったとき感じた、胸のチクリの原因。

同じだからなんだ。

あたしも…母様と会えなくなって五年以上が経っていた。

会いたい…とか、心配…とか。

そういう、同じ気持ちをきっと、ユウキも持ってたんだ。


こんなこと言ってたってきっと…。きっと。

お母さんのこと大好きだったんだ。

だから、見捨てられたことが悲しくて。

置いて逝かれたことが寂しくて。


いつしか…憎いと思うようになったんだ…。


…でも。


「でも、だからってそれは八つ当たりだ」


「は…?」


「似てようが、同じ日本人だろうが、お金があろうがなかろうが。あなたのお母さんとは別でしょ。勝手に重ね合わせて憎まれるなんて心外だ」


あたし自身が嫌いなんならそれは仕方がない。

でもそうじゃないんでしょ?

それに…。


「それにお母さんが嫌いなわけじゃないんでしょ? どうして無理に嫌おうとするの。あなたは…“失って初めて分かる”ってのがどんなものか、よく知ってるはずだ」


「…!」


自分にとってどれだけ大切な存在だったか。

いなくなってから募る、会いたいという思い。

それをよく知ってるはずなのに、どうして心の中からお母さんを消そうとするの?