秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


あんな女って……なんのこと?


ぴくりとその一言に反応してしまうあたし。

思わず口を止めた。


『お前のその顔! 俺を捨てたあの女と…そっくりなんだよ』


『え…?』


俺を…捨てた?

ちょ、なに言ってるの…ユウキ…?


「…女なんかみんなそうだ。まして金持ちならなおさら…」


ふと冷静になって気付いたのか、日本語でそう呟いたユウキ。

知らず知らずのうちに、あたしは聞き返していた。


「どういう意味…?」


「……俺の母親は、それなりの資産家だった。日本人で…あんたとそっくりな顔で。でも…」


「…?」


「明らか単純バカなだけのあんたと違って、あいつは金とその餌にしか興味がない、俺を『自分の子とは思わない』、『勝手に育て』と吐き捨てるような最低なやつだった」


なにそれ…ひどい!

お母さんなのに…………って。


「…今単純バカって…言わなかった…?」


「しかも、俺の父親が死んでるからって、俺も捨ててさらに金持ちの男と結婚しやがったんだ。挙句…」


む、無視…。いやまあ、それは置いとこう。

うん…置いとこう。


「…挙句、俺の知らないところで勝手に死にやがった」


「…!」


え……。


「…おかげで俺は、一昔前の奴隷みたいな生活を余儀なくされた。野垂れ死ぬ寸前だったんだよ」