あんな女って……なんのこと?
ぴくりとその一言に反応してしまうあたし。
思わず口を止めた。
『お前のその顔! 俺を捨てたあの女と…そっくりなんだよ』
『え…?』
俺を…捨てた?
ちょ、なに言ってるの…ユウキ…?
「…女なんかみんなそうだ。まして金持ちならなおさら…」
ふと冷静になって気付いたのか、日本語でそう呟いたユウキ。
知らず知らずのうちに、あたしは聞き返していた。
「どういう意味…?」
「……俺の母親は、それなりの資産家だった。日本人で…あんたとそっくりな顔で。でも…」
「…?」
「明らか単純バカなだけのあんたと違って、あいつは金とその餌にしか興味がない、俺を『自分の子とは思わない』、『勝手に育て』と吐き捨てるような最低なやつだった」
なにそれ…ひどい!
お母さんなのに…………って。
「…今単純バカって…言わなかった…?」
「しかも、俺の父親が死んでるからって、俺も捨ててさらに金持ちの男と結婚しやがったんだ。挙句…」
む、無視…。いやまあ、それは置いとこう。
うん…置いとこう。
「…挙句、俺の知らないところで勝手に死にやがった」
「…!」
え……。
「…おかげで俺は、一昔前の奴隷みたいな生活を余儀なくされた。野垂れ死ぬ寸前だったんだよ」

