「あいっかわらず…真緒の扱い上手すぎ」


「逆にもう楓くんしか真緒ちゃん操れないよ」


人聞きの悪い。

心の底から愛してるだけだ。


「嘘くさい」


「……」


…嘘じゃねぇし(九割方)。



―ピンポーン



「あっ! しかくいのだ!」


「だから三角だっつーのに」


しかも「しゅっちゃんだ」じゃなくて飯かよ。


「しかくいの~~!」


「だから三角…」


修平ではなく飯をしきりに呼びながら、ソファから飛び降りて玄関に走っていった。



「それうめやで。こっちはなぁ、変わり種。なんや思う?」


「かわりだね? おかわりだね?」


「切るとこちゃうて。変わりだ、ね。じゃのーて、変わり、種」


天然炸裂の会話を繰り広げながら、修平にぶら下がって食い入るように袋を覗き込む真裕が戻ってきた。


「かっくんこれあけて」


市販の握り飯の開け方なんか知るはずのない真裕は、二つ持ってきてちょこんと膝の上に座りながら、一つを差し出した。


「あ、これかっくんの」