「『そうだ。この二人を追い出してピーしてピーしてやろう』」
「……」
「『ああっ。ダメだ! 愛する真裕にそんなことはできないっ。俺ってダメな子…』」
「……」
…いつか殺る。
いや、女だろうとそこんとこは知らねぇ。
「なぁにそのコロシテヤルみたいなこっわい目。気持ちを代弁してやったんじゃない」
「誰も一欠けらも思ってねぇよバカ」
いや…まあ…。
方向性が似てた気もする…けど……いや、しねぇ。
絶対にしねぇ。
「? かっくんしゅっちゃんまだ? 行っちゃダメ?」
「そのうち帰ってくる」
よっぽど腹が減ってるのか…はたまた暇なのか。
ぶすぶすと人の体を人差し指で刺しながら、不服そうに唇を突き出す。
「まお一人で行けるもん」
「ぜっっってーーームリ」
「……」
百二十パームリ。
警察に迎えに行かにゃならんことになる。
「ここで待ってるの嫌?」
心もち真裕を自分のもとに引き寄せながら言うと、案の定…。
「やじゃないっ❤」
目をハートにしながらすり寄ってきた。

