秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


「『そうだ。この二人を追い出してピーしてピーしてやろう』」


「……」


「『ああっ。ダメだ! 愛する真裕にそんなことはできないっ。俺ってダメな子…』」


「……」


…いつか殺る。

いや、女だろうとそこんとこは知らねぇ。


「なぁにそのコロシテヤルみたいなこっわい目。気持ちを代弁してやったんじゃない」


「誰も一欠けらも思ってねぇよバカ」


いや…まあ…。

方向性が似てた気もする…けど……いや、しねぇ。

絶対にしねぇ。


「? かっくんしゅっちゃんまだ? 行っちゃダメ?」


「そのうち帰ってくる」


よっぽど腹が減ってるのか…はたまた暇なのか。

ぶすぶすと人の体を人差し指で刺しながら、不服そうに唇を突き出す。


「まお一人で行けるもん」


「ぜっっってーーームリ」


「……」


百二十パームリ。

警察に迎えに行かにゃならんことになる。


「ここで待ってるの嫌?」


心もち真裕を自分のもとに引き寄せながら言うと、案の定…。


「やじゃないっ❤」


目をハートにしながらすり寄ってきた。