「ギャップとしてセクシー❤な下着の一つや二つ、持ってていいと思うのよね。まあ~…楓の趣味なんて分かんないけど、奥さんが自分のためにそういう努力してて嫌ってこたないと思うわ」


お、『奥さん』!!

奥さん、まお『奥さん』ですってよ奥さん!!

んまーっんまーっ(岬先生風)。


「…で。なんでひも?」


百歩譲ってさっきの話は分かったと致しましょう。

で、なんですかそのひもは。


「超ギリギリのセクスィさよ」


「……え、それも下着…?」


そんな意味なさそうなもん、いらなくない!?

着ても着なくても一緒じゃない!?


「ま、さすがにこれは冗談だけど」


おい。

……おいおい。

やっぱりこの人かっくんのママだなおい。


「こっちなんてどうかしら?」


持っていたひもをぽーいっと投げて、くるりと振り返ったママ。

次に手にしたのは、いつかりんりんが推してたような、黒の下着だった。


「黒って……定番なの…?」


何回も言うけどさ、そういうの絶対似合わないって。

確かにあたしの髪黒だけど!

…関係ないかっ!

いやでも! なんにしたってムリ。まず勇気がない。

てか……かっくん関係ないんじゃ?

さっき『楓の趣味なんて―』うんぬんかんぬん言ってたけど。

なにも服脱いで見せるわけじゃあるまいし。


「なに言ってんの。見せるのよ」


「……は?」