震えながらしがみついてきた真裕を受け止めて、抱きしめた。
俺には何もできない。
どうもしてやることができない。
悲しみを、苦しみを取り除いてやることができない。
無力だ。
所詮俺は無力だ。
どんなに愛していても、愛されていても、それが力になるとは限らない――。
助けてと縋ってくる真裕を。
なぜ俺は、助けてやれないんだろうか。
“変われるものなら変わってやりたい”
そう思う気持ちがよく分かった。
「…っく……ふぇっ…!」
必死でこらえようとして、強く俺の手を握る。
俺はそれを握り返してやることしかできない。
「かっくん…!」
ぐっと抱きつきながら名前を呼ばれる。
俺は、ただ抱きしめ返してやることしかできない。
俺は……無力だ。

