秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


“おかあさん”という言葉にピクリと反応し、目線だけをこちらに向ける。


「…ほら」


小さな箱とメッセージカードを差し出す。

しばらくそれを見つめると、ゆっくりと手を伸ばしてきた。


「……」


「そちらも預かっていました。間に合わなかったときは渡してくれと…」


「……」


ゆっくりと開いたメッセージカード。

そこに書かれていたのは、やがて十九になるであろう娘へ向けた、母からの言葉だった。



――十九歳おめでとう。

もしかしてもっと早くに受け取っていたら、ごめんね。

見届けたかったな。

…真裕、幸せになってね。母より――



…そして箱の中身は指輪だった。


「……」


「…『私が洋平にプロポーズされたときにもらったの』と、嬉しそうに仰っていましたよ。いずれ結婚するであろう貴女様へと…」


そうか…。

あれだけ世界中に発表したんだ。

いくら何でも知らないわけはあるまい。

俺との婚約を……知ってのことか…。


「まひ……。!」


「助けてかっくん…! 怖いよ。痛いよ。助けて…!!」


真裕…。


「真裕……」