「おっ? 真緒たん」
「あんねーまおねー、お腹へった。なんか食べよ?」
横から抱きついてきて、可愛らしく小首を傾げながらそういう真裕。
そういえばもう昼だ。
邪魔が二回も入ったせいで忘れていた。
「でももう冷蔵庫カラだぞ」
「ん~……どっか行こうよ」
そうは言ってもお前……このへん、ただのファミレスとかばっかだぞ。
基本何でも食うから、口に合わないとかいうことはないだろうけど。
また『きゃあ~っ! あれなあにあれなあに!?』…とかテンション上がっても困るし。
「お米が食べたい」
「米……」
何気に難しい注文をまたこいつは…。
いっそ定食でも食えと言いたい。
「あの四角いのがいい!」
「だから三角な」
「そうさんかく。おにぎり?」
藤峰家の令嬢たるものが、最近意外と庶民的なものを好む。
うちのお袋が作ったのとか大っ好きだし。
「ああ…かっくんママのご飯が食べたい」
なぜか遠い目をしながら言う真裕。
明日にでも……連れてくかな。
「それじゃあおにぎり買ってこようか。この家、お米も炊飯器もないよね。…じゃ、いってらっしゃい修平」
「おお。行ってくる。……どこに!? なんで俺やねん!」
「他に誰がいる」

