秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*


「……」


…声が出なかった。

喉が乾ききってしまったよう。

体中が縛り付けられているよう。

まるで夢の中のように、あたしの意識と体が一致してないように思えた。


「…じゃあ……お母さん……は…」


「まだ大丈夫だ。ただ…」


…ただ…。


「危篤状態だそうだ」



―ガシャーンッ



「真裕…!」


「真裕!」


「っ……!」


事実……事実…!

一年前の報道は、事実…!


お母さんが……病気…?

危篤…状態…!


「真裕…」


カタカタと震えて、ただ涙だけを流すあたしを、かっくんが抱きしめた。

割れたカップの欠片で切った手。

そこから流れ出る血さえも、まるであたしのものじゃないようだ。


きっと、夢。

悪い夢なんだ。


必死でそう、言い聞かせるように心の中で何度もつぶやいた。