―――……


「というわけで結婚したそうです」


『……』


「……? おーいりんり…」


『…あたし、寝ぼけてるのかしら。電話がかかってきたかと思ったらなんだ、幻聴ね。じゃなきゃ“結婚”なんて一言が聞こえるはずないわ』


いやいやいや。

よくもまあぺらぺらと言えましたねそんなこと。

分かってるんでしょ実は。

分かってて抵抗したいだけでしょ。


父様の爆弾発言から数時間、とりあえず学校に行こうってことにはなったものの、何かしら落ち着かなかった。

そこでなぜかあたしは、車の中で携帯を手にしてしまったのだ。

かっくんにかけ方を教わって、初めて国際電話をかけてみた。

ほんで開口一番、事実かどうかも分からないことを報告してみると、りんりんが壊れたというわけ。


『おほほっ。まだ夕方だというのにあたしったらやあねおほほほほっ―ぶつっ』


「……切れたがね」


なんで切るのよ。

なにヘンな自己完結してるの?

てか……。


「今、朝だよね」


「時差ってもんがあんだろが」


……そおだった。


―ピリリリリッ


「あ。りんりんだ。…もしも…」


『真緒!? アンタ今電話した!?!?』


えー…。