臆病者ノ唄






三階のトイレに呼び出した石沢を祐樹と文明が囲って威圧していた。



石沢はガクガクと膝を震わせていた。



俺はため息を一つついて、文明と祐樹をトイレの外に出した。



「…んで、石沢。」



「俺がしょぼいって?」



石沢はブンブンと首を横に振り、「言っていない」と繰り返した。



「文明は間違いねぇって言ってたけど?」



懇願するような目で俺を見ながら、それでも石沢は「言っていない」と繰り返し続けた。