臆病者ノ唄






「おーい、大作。」



学校を途中でふけようと身支度をする俺に文明が声をかけてきた。



「知ってるか?石沢が大作の事、しょぼいとかほざいてるらしいぞ?」



「あっそ。」



正直、まるで興味がなかった。



言いたい奴には言わせておけばいい、そう思って去ろうとする俺に文明が言った。



「いいのかよ?」



いつもよりワントーン低い声でそう言った文明の表情は真剣だった。



「わかったよ、呼び出せよ、石沢。」