臆病者ノ唄






「大作!!」



亮の大声で俺はハッと我にかえった。



そうだ、このゲス野郎を殴ればすべてが終わってしまう。



俺達が必死に練習してきた三年間を一瞬でぶち壊してしまう。



「なんでも…ありま…せん。」



感情を押し殺した。



後半が開始された。



俺はコーチの作戦に従わなかった。



反抗していたわけじゃない。



俺は相手チームのエースをファールせずとも完全に押さえ込んでみせた。