【瑠李said】



あたしは今、学校の図書室で本を読んでる。


この前は自分で持ってきた本だったけど、今日は図書室の本を読んでみようと思って図書室に来た。


図書室は教室と違って静かだから本が読みやすい。


あたしが本を読んでると図書室の扉が開いた。


そして中に入って来たのは颯くんと冬真くんだった。


「うわぁ~…めっちゃ静かやな…」


「静かにしろよ」


颯くんと冬真くんが話しながらこっちに歩いてくる。


まだあたしには気づいてない様子。


あたしは特に気にすることなくまた本に視線を戻した。


「早く本返せよ?」


「わーっとるって。返却日、今日なんやからまだ大丈夫や」


颯くんは静かな声で話してるけど冬真くんは普通の声で話してるから、冬真くんが喋るたびにあたし以外の人達が皆、冬真くんに視線を向ける。


そのたびに冬真くんは手で口を押さえる。


颯くん達があたしの前を通り過ぎた時、


「あれ?アンタ、教室にいないと思ったらここにいたんだ」


颯くんが立ち止まって小さな声でそう言った。


「…は…は、はい…」


あたしが曖昧にそう言うと、颯くんはあたしの向かいに座った。


「今日は…『素敵な恋をする為に…』?」


「あ…いや…こ、これは…」