あなたとあたし



『何も聞いてません!』って…


本当、どう言う意味…?


何か…瑠李の顔…赤かったけど…


「颯?何ボーっとしとるん?用がないなら帰ろうや」


「え…あ、そうだな…」



【瑠李said】



やだ…


恥ずかしい…


『考え事って何?』なんて聞かれて、『颯くんの事』って答えてたら今頃どうなってただろうか…


しかも…なんでかあたし…


頭が混乱してて『颯くんは何も聞いてません!』だなんて意味の分からない事を……


あたしは走ってた足を止めてその場に立ち止まった。


…あたしは一体誰に…嫉妬をしてたんだろう…


何で嫉妬なんか…嫉妬する理由なんてどこにもないのに…


颯くんはただ、零さんと話してただけなのに…


あたしは何でそれを見て嫉妬の感情が生まれたの?


分からない…分からないよ…誰か…


誰かこの感情を消す方法を教えて……




「瑠李、おはよ」


「お、おはよ…」


颯くんが席で本を読んでるあたしに笑顔で挨拶してきた。