夜行バスに乗り、そのままバスの中で夜を過ごした。 目を覚ましたときには、朝日が出ていて小学校のときに遊んだ場所を次々と通っていく。 「車内にはお忘れ物のないよう、ご注意下さい。ありがとうございました」 バス停に着き、僕は思わず立ち止まってしまった。 四年前と違い過ぎて、家までの道がわからない。 …仕方ない。 妹に来てもらおうか。 携帯を取り出し、電話を掛けようとしたとき後ろから声をかけられた。 「小林の圭くん?圭くんやろ?」