息苦しくなって美月さんの背中をトントン叩いていたとき、
そんな声と共に、こつん。という音が聞こえた。
「……いったーい!愁、何すんのよっ」
美月さんから解放され、大きく息を吸い込むと、頭を痛そうにさする美月さんが視界に映った。
「お前、ちゃんと自分で力の加減しろよ。桃ちゃんが苦しがってただろうが。」
そう言ったのは、あたしの先輩で美月さんと同期の、谷口愁さん。
谷口さんも、これまた美形さんで、社員の男女問わずから人気のある人。
「なっ…ご、ごめんね、桃花ちゃん!あたし、気付かなくて…っ」
谷口さんに注意された美月さんが、しゅんと眉毛を下げて申し訳なさそうにあたしに言う。

