「さすが、桜沢くん。どこかの体育馬鹿とは違って、役に立つわ。」


 小松さんが言い。


「どういう意味だよ?それ?」


 由良が返す。


 まったく・・・


「夫婦ケンカするなら、他所でやれ。」


「「誰が夫婦じゃ!」」


 声は同時に出た。


 まったく・・・なんで、こっちは失恋したばっかりだというのに、こうも当てられなければならないのだ・・・。


 ・・・・って


「そういえば、今日先咲さんは?」


 どうしても気になったから、声をかけてみた。


 まだ一時間目まで時間があるとはいえ、そろそろ学校に来ていないと、危うい時間であるコトは確か。


 だというのに、先咲美琴の姿を見ることができない。


 まさかとは思うが、昨日の今日で殺されたなんてことは・・・。


「あぁ、美琴なら気分が悪いって、学校に来てすぐに保健室に行ってる。」


 さすがにないか・・・。


「ほぉ~・・・さすが悠人くん、フラれてもまだ気になりますか?」


 由良の冷やかし


「うるせぇよ。」


 そうとしか返しようがなかった。


「でも、先咲さんが保健室にねぇ~・・・。」


 珍しいこともあるものだ。


「まぁ、どうせいつものサボりでしょ?今日は保険の先生も出張って行っていたから、午前中は眠り放題だし・・・。」


「え・・・・・・?」