「悠人、お前はイツからそんな薄情なヤツになったんだ。」


「そうだよ、ひどいよ桜沢君。私たちには君だけが頼りなんだよ!」


 ビックリしたコトに、二人は本当に泣きそうな顔をしている。


 この二人の発言から分かるとおり、悠人は学校で群を抜いて頭がいい。


 当然といえば当然だ。


 普段から、多種多様の言葉で書かれ、難解困難な魔道書を読みふけっている悠人にしてみれば、学校の授業など子どもの遊び程度である。


「お前が本気を出せば3時間目までに全部終わらすなんて容易いだろう!」


 そりゃそうだけど・・・・。


 それでも今日は徹夜しているんだよ。


 正直、1,2時間目は寝たいんだよ!


「はぁ~・・・。」


 悠人は大きく溜息をつくと・・・。


「200円で手を打つぞ!」


 先に言われた。


「何で、昨日よりも安いんだよ?」


「だって、私たちお金ないし~・・・恐喝って言うんだよ。そういうの・・・。」


 小松さんまで・・・。


「分かったよ。」


 別にそこまでしてお金が欲しいわけではない。


 正直、悠人はそこまでお金に困っているわけでもない。


 ただ、なんとなくこいつらの困った顔を見るのが好きなだけだ。


 だけど、本当に金欠なのだろう。


 仕方ない。数学の時間に熟睡するとしよう・・・。