状況は把握した。


 ならば、次の行動をとらなくてはならない。


 それには、今日はあまりに準備が少ない。


 由良は、踵を返すと、全力でその場から立ち去る。


 先咲さんは追ってこなかった。


 しばらくして、覆面を外し、帰路に着く途中、先咲さんに黒幕がいてくれたコトに、少しホッとしつつも、ソレは不謹慎だと思った。


 だけど、由良は思った。


 ・・・・・・・・・・久々に、やりがいのある仕事だ・・・と。


 そして・・・・・・


 ・・・・その一部始終を


 ・・・・・・・・・・・・・・・・一羽のカラスが見ていた・・・・・・。